景観色彩研究室
美しい道具も、美しい風景も
その70%が美しい色彩によるもの。
住み慣れたまちの風景がもっと素敵になるように
毎日手にするモノたちがもっと心地よく使えるように
日々の暮らしの色彩を
提案する「景観色彩研究室」です。
景観色彩研究室 本間純子 × 佐藤裕子
北海道建築士会札幌支部 支部だより「街」2021.№1
『北海道建築士会札幌支部 支部だより「街」2021.№1』 に「だいたい・札幌の景観色」の活用術が掲載されました。
工事現場の仮囲い ①
ビルや住宅の工事現場、道路や橋の工事現場などでは「危険です!入らないでね」の意味で工事囲いを設置します。その多くは専門会社から借りていますので、どこの工事現場も同じような風景になります。
たとえ仮囲いであっても、周囲の風景に馴染むデザインにすることはできないだろうか? 強いて言えば、わざわざ遠回りをしてでも工事囲いの前を通りたくなるようなデザイン。さらに言えば「この工事がずっと続いてほしい」と見る人が思うような… そういうデザインの工事囲いがあったら、毎日が楽しくなるに違いない。
そんな話を佐藤裕子さんとしていたら、本当に工事囲いのデザインの依頼が来ました。
依頼主は犬嶋由香里さん。井上技研の専務さんです。
デザインするのは工事囲いに付ける「工事の説明ではない」コンセプトシート。円山動物園の改修工事のためのものです。
設置箇所を確認した後、いろいろアイデアを出し合いながら検討をし、完成したのが「てくてく歩こう動物園」です。
円山動物園の正面入り口からすぐのところに掲げられるので、ここからそれぞれの飼育舎までの距離を「おとなの歩数」「子供の歩数」そして「ペンギンの歩数」で表しました。単位は「メートル」ではなく「歩」です。
景観色彩研究室のモットーは「調査と検証」。
もちろん、動物園も実際に二人で歩いて調査し、歩数を割り出しました。
ちなみに、ペンギンの歩数は、円山動物園の飼育員さんに教わりましたが、ペンギンが実際に歩いたことはありません。
工事囲いは工事の終了と同時に撤去されました。
短期間でしたが、楽しんでもらえたと自負しています。
2012/12/01
株式会社井上技研 http://inouegiken.co.jp